カドミウム鉱物(読み)カドミウムこうぶつ(英語表記)cadmium mineral

改訂新版 世界大百科事典 「カドミウム鉱物」の意味・わかりやすい解説

カドミウム鉱物 (カドミウムこうぶつ)
cadmium mineral

カドミウムを含む鉱物総称硫カドミウム鉱greenockite CdS,酸化カドミウム鉱monteponite CdO,オタバイトotavite CdCO3,セレンカドミウム鉱cadmoselite CdSeなどがあるが,硫カドミウム鉱以外の産出はまれで,重要でない。硫カドミウム鉱は六方晶系に属するが,異極半面像の結晶をなすことはまれで,ふつう樹脂状光沢の黄色を呈し,粉状または土状被膜として産する。結晶では{1122}にへき開明瞭,モース硬度3~3.5,比重4.9。日本では岐阜県神岡,福井県中竜(なかたつ),宮城県細倉など亜鉛鉱山の露頭部にセン亜鉛鉱の表面を被覆して産する。産出量が少なく,カドミウム資源としては対象にならず,カドミウムは亜鉛鉱石製錬の副産物として得られている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android