日本大百科全書(ニッポニカ) 「カバードワラント」の意味・わかりやすい解説
カバードワラント
かばーどわらんと
covered warrant
株式デリバティブ(金融派生商品)市場の需給ギャップを埋める機能を果たす金融商品。金融機関が発行し、投資家は一定期間内に、定められた価格で、特定の会社の株式や株価指数を売買する権利(ワラント)を得る。株価指数や個別銘柄の株式を直接売買する場合に比べて、少額の資金での投資を可能にしている。コール(買う権利)型とプット(売る権利)型の2種類があり、投資家は将来の株価動向に対する自らの予想に沿って、上昇と判断する場合にはコール型を、下落と判断する場合にはプット型を購入する。発行者のリスクヘッジ(リスクを避けたり低下させたりすること)を目的に発行されるため「カバード」と称されるが、投資家はヘッジに対応するスペキュレーター(投機家)としての役割を担うこととなるため、投機性の高い金融商品である。それだけに高収益が期待される半面、リスクも大きく、場合によっては投資金額の全額を失うこともある。
[高橋 元]