化学辞典 第2版 「カルボニル法」の解説
カルボニル法
カルボニルホウ
carbonyl process
モンド法ともいう.金属カルボニルの熱解離を利用した金属精錬法で,1890年にL. Mond(モンド)がカルボニル金属反応を発見し,主に高純度ニッケルと高純度鉄を得るために利用する.反応は次のとおりである.
Ni + 4CO = Ni(CO)4
Fe + 5CO = Fe(CO)5
精製しようとする粗金属にCOガスを反応させ,気体の金属カルボニルを得たのち,このカルボニルを減圧低温下に置いて熱分解させる.得られる金属は粒子の大きさが均一の微粉で,粉末冶金原料,化学用原料,触媒などに使用される.なお,金属カルボニルの気体は猛毒である.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報