熱解離(読み)ネツカイリ

デジタル大辞泉 「熱解離」の意味・読み・例文・類語

ねつ‐かいり【熱解離】

温度上昇によって起こる解離塩化アンモニウム加熱するとアンモニア塩化水素に可逆的に分解するなど。

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精選版 日本国語大辞典 「熱解離」の意味・読み・例文・類語

ねつ‐かいり【熱解離】

  1. 〘 名詞 〙 熱によって物質が分解すること。分解生成物は冷却によって逆方向の変化を起こしもとの物質にもどる。変化が可逆的でない場合は単なる熱分解

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化学辞典 第2版 「熱解離」の解説

熱解離
ネツカイリ
thermal dissociation

温度の上昇によって分子が解離すること.たとえば,

      NH4Cl NH3 + HCl

      PCl5 PCl3 + Cl2

      N2O4 2NO2

などがその例で,温度が下がればまた会合してもとに戻る.解離して生じたものが不安定で,ただちにほかのものに変化してしまう場合には熱分解という.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「熱解離」の意味・わかりやすい解説

熱解離
ねつかいり
thermal dissociation

加熱することによって物質が2つ以上の物質に解離する現象。たとえば N2O4⇔2NO2 ,NH4Cl⇔NH3+HCl ,PCl5⇔PCl3+Cl2 などがある。一般に,高温ほど解離が著しい。

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百科事典マイペディア 「熱解離」の意味・わかりやすい解説

熱解離【ねつかいり】

加熱によって進行する解離をいう。

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世界大百科事典(旧版)内の熱解離の言及

【解離】より

…可逆的な分解反応により分子がいくつかの部分に分かれることをいう。一般に安定な分子の解離には外部から熱や光などエネルギーを供給することが必要で,それぞれ熱解離,光解離などと呼ばれる。解離に必要なエネルギーを解離熱あるいは解離エネルギーといい,たとえば,二原子分子の塩素Cl2,水素H2,酸素O2,窒素N2の解離熱はそれぞれ243,436,495,942kJ/molで,解離熱が小さいものほど解離しやすい。…

※「熱解離」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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