モンド

化学辞典 第2版 「モンド」の解説

モンド
モンド
Mond, Ludwig

ドイツ生まれのイギリスの工業化学者.カッセル工業学校で学んだ後,マールブルク大学とハイデルベルク大学で化学教育を受ける.1862年イギリスに渡り,Widnesでルブラン法による炭酸ソーダ製造で廃棄される硫黄の回収を確立,フランスやイギリスで硫黄回収法の特許を取得した.1867年イギリスに帰化.1872年E. Solvay(ソルベー)からソルベー法(アンモニアソーダ法)のイギリスでの使用契約を得て,John Tomlinson Brunnerと共同で,1873年Winningtonに巨大なアルカリ工場を設立した.1889年発生炉ガス(モンドガス)を発明,1892年ニッケルカルボニルを発見して,ニッケル精錬法を発明した.1896年には私財を投じて,ロイヤル・インスティチューションにDavy-Faraday Research Laboratoryを寄贈した.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モンド」の意味・わかりやすい解説

モンド
Mond, Ludwig

[生]1839.3.7. カッセル
[没]1909.12.11. ロンドン
ドイツの化学者,化学技術者。マールブルク,ハイデルベルクで学んだのち,化学工業会社の技師として活躍。 1862年イギリスに渡り,ソルベー法の工業化の研究に着手。完成後,73年 J.ブルンナーと共同で化学工業会社を設立。またソルベー法に必要なアンモニア源を得る研究の過程で発生炉ガス製造法を見出した。さらにニッケルカルボニルを発見し,それを用いたニッケル金属の安価な分離精製法を考案,モンド・ニッケル会社を設立して成功した。美術品収集家としても知られ,彼のコレクションはロンドンの国立美術館に遺贈された。

モンド
Le Monde

フランスの代表的夕刊紙。 16~24ページ立てのタブロイド判。写真,漫画を一切使用しない紙面づくりで,政治,経済,外交関係を中心とする正確な記事と見識ある論調定評がある。知識階級の支持も多い。広告掲載率は紙面全体の 20%にすぎない。 1944年 12月保守的な新聞『タン』 Le Tempsを基盤として創刊。政治的傾向は「正義ある自由に協調する社会主義的なリベラリズム」としている。独特の持ち株制度によって編集部門の独立を維持している。発行部数 30万 7164 (1997) 。週刊英語版も発行している。

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