ルーマニア東部、ガラチ県の県都。モルドバ(モルダビア)地方の南端にあり、ドナウ川下流左岸の河岸段丘上に位置する。人口29万8584(2002)。ドナウ有数の港湾都市で、外洋船も接岸する。鉄道・道路網の要衝でもある。1989年の政変までは年産400万トンの鉄鋼コンビナートがあったが市場経済導入以後、生産は低下した。造船、機械、繊維、食品などの工業が発達している。16世紀以来、モルドバ地方の交易の中心として栄え、1834~83年には自由港であった。1887年のドック整備後、急速に発展した。19世紀後半から社会主義労働運動の中心地となり、1916年には自治権拡大を要求する流血デモが起きた。17世紀のプレチスタ教会、18世紀のマブロモブ、ボビデニア両教会がある。また大学、劇場、交響楽団のある文化都市ともなっている。
[佐々田誠之助]
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