ルーマニア東部,ドナウ川下流の左岸に発達するモルドバ台地南端に位置し,同名県の県都。人口29万9205(2005)。標高33m,年平均気温10.3℃,平均年降水量442mm。ドナウ河口まで約150kmあるが,ドナウ川最大の河港で,外洋船が接岸する。鉄道や道路の要点でもあり,商工業の中心地である。現在,年産400万tの鉄鋼コンビナートがつくられ,ルーマニア最大の製鉄地帯である。造船機械,通信機器,繊維,食品などの工業も発達する。16世紀以来モルダビア侯国の商業都市として発展してきたが,1837年の自由港宣言や87年のドック整備によって,河港都市として急速に成長した。19世紀後半以後,ルーマニアの社会主義労働運動の中心地となり,1916年には自治権拡張要求の流血デモが起きた。大学,国立劇場,オペラ劇場,交響楽団,各種博物館がある。また,1646年建立のプレチスタ教会をはじめ,18世紀の教会がある。
執筆者:佐々田 誠之助
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…すなわちこの会議で,暫定的に法制化を図るために〈ヨーロッパ・ドナウ委員会〉が設置され,すべての非沿岸諸国にも河口から三角州地帯のイサチェヤまでの貿易船の自由航行が確定されたのである。この委員会の本部はガラツィに置かれ,関係8ヵ国で構成されたが,のちにルーマニアの合意のもとで,自由航行できる範囲が78年以降はガラツィまで,83年にはブライラまで延長された。 第1次世界大戦後締結されたベルサイユ条約で,1921年,ドナウ川沿岸諸国とヨーロッパ・ドナウ委員会に属するイギリス,フランス,イタリアの非沿岸諸国で〈国際ドナウ委員会〉が設立された。…
※「ガラツィ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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