キットピーク国立天文台(読み)きっとぴーくこくりつてんもんだい(英語表記)The Kitt Peak National Observatory

日本大百科全書(ニッポニカ) 「キットピーク国立天文台」の意味・わかりやすい解説

キットピーク国立天文台
きっとぴーくこくりつてんもんだい
The Kitt Peak National Observatory

アメリカ合衆国、アリゾナ州にある国立の天文台。アメリカの各大学が共同利用のために建設、1958年創立、1960年開設。1973年に観測を始めた口径400センチメートル反射望遠鏡はじめ、213センチメートル反射望遠鏡、世界最大級の太陽望遠鏡を設置した太陽観測塔、350センチメートルのWIYN(ウイーン)光学赤外線望遠鏡など10台余りの望遠鏡があり、光学観測の中心となっている。

 望遠鏡群のあるキットピーク山(標高2064メートル)から約50キロメートル離れたトゥーソンツーソン)の町に本部があり、そこには100人余りの研究者・職員がいて、銀河恒星などの研究をしているほか、4メートル鏡の研摩や新しい観測装置の開発を行い、つねに最先端の観測が行えるよう備えている。1983年から、それまで別の組織であった三つの天文台が国立光学天文台National Optical Astronomical Observatories(NOAO)にまとめられて、キットピーク国立天文台もそのなかに含まれることになった。そして次代の口径8メートル望遠鏡建設を進めている。本天文台で、1966年11月に「しし座流星群」の流星雨が、2000年5月に「小惑星アルバートAlbert719」が観測された。

[磯部琇三 2015年5月19日]


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