ぎん‐が【銀河】
〘名〙
① 晴れた
夜空に、
一筋の雲のようにかかる光の帯で、無数の星や
星間物質が集中しているもの。地球からはその面を横から見ることになるので、その中央線は天球上にほぼ大円を描く。
天の川。
銀漢。銀渚。《季・秋》
※俳諧・本朝文選(1706)五・序類・銀河序〈
芭蕉〉「日既に海に沈で月ほのくらく、銀河半天にかかりて星きらきらと冴たるに」 〔白帖〕
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デジタル大辞泉
「銀河」の意味・読み・例文・類語
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銀河
ぎんが
galaxy
恒星と星間物質,ダークマター(暗黒物質)の大集団。銀河系(太陽が属する銀河,天の川銀河)やアンドロメダ銀河などが代表例である。恒星など普通の物質よりも巨大な質量をもつダークマターのハローに囲まれている。質量や大きさは巨大なものから矮小なものまでさまざまであり,数は小さな銀河ほど多い。大きな銀河の質量は 1000億~数千億太陽質量程度,直径は 10万~20万光年ほどである。小さな銀河では数億太陽質量で直径 1万光年と小ぶりなものもある。形は渦状腕をもつ円盤状の渦状銀河(渦巻銀河),丸い形の楕円銀河,小さくて暗い矮小銀河などさまざまな形態を示す。銀河は群れをなしている。数個から数十個の銀河の群れが銀河群,数千から数万個の群れが銀河団,それらがさらに集まって超銀河団(→宇宙の大規模構造)をつくる。宇宙全体には数千億の銀河が存在する。銀河の距離を測定し,赤方偏移(宇宙の膨張による光の波長の伸び方)と組み合わせることによって,宇宙の構造や,宇宙膨張の加速や減速を知ることができる。銀河系や近傍の銀河は誕生後 100億年以上たった進化の進んだ銀河であるが,赤方偏移が大きく遠い銀河は,光速度が有限なので昔の姿を現している。このような銀河を観測することによって,誕生直後の銀河や銀河の進化を研究することができる。エドウィン・P.ハッブルは写真上での銀河の形態から,銀河を楕円型,レンズ状,渦状,棒渦状,不規則型に大別したが,これら以外の特異銀河や矮小銀河も多い。楕円銀河は見かけの扁平度に従って分類され,渦状銀河や棒渦状銀河は渦状腕の巻きつき方の強弱や中心部の大きさによって細分される。レンズ状銀河は楕円銀河と渦状星雲の中間形態で円盤状をしているが渦状腕をもたない。不規則銀河は規則性のない不定形をしている。矮小銀河は質量,大きさともに小さな銀河をさす。銀河までの距離は大小マゼラン雲のように 15万光年程度の近くから,100億光年以上という遠くまで広がっている。アンドロメダ銀河は,地球からの距離が 210万光年と比較的近い大渦状銀河である。
銀河
ぎんが
日本海軍の陸上爆撃機。水平爆撃,急降下爆撃,雷撃という3種類の任務を1機でこなせる攻撃機として 1940年に計画され,海軍の技術者が主務者となって設計された。民間技術者でなかったためか,工場での製造には手間がかかった。しかし,高速性能など優れた点も多く,1943年から中島飛行機で量産され,1944年から第一線に投入された。中翼単葉の双発機で,エンジンは誉 (1820馬力) 2,乗員3,全長 20m,全幅 22m,総重量 10.5t,最大速度時速 551km,航続距離約 2000km。武装は 20mm機関砲1,13mm機関銃1,爆弾搭載量 500~1000kg。生産機数 1002機。夜間戦闘機に改造したものを「極光」と呼び,20mm固定砲2門と旋回砲1門を装備していた。
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ぎんが【銀河 galaxy】
天の川の意味にも使われるが,天文学の分野においては天の川に象徴されるわれわれの銀河系と同じ形態の恒星の大集団をいう。一般に直径数千光年から数十万光年の大きさの空間内に,100万個から1兆個にも及ぶ恒星と星間物質が密集しているものを指す。その多くは我々の銀河系の外側,はるか遠方にあるために,比較的近距離のマゼラン銀河やアンドロメダ銀河でも,肉眼や小望遠鏡に淡い雲のようにしか映らない。かつてはその見かけによって〈星雲nebula〉として一括されていたが,1925年にE.ハッブルによって〈アンドロメダ星雲〉を含む3個の〈星雲〉にセファイド型変光星が同定され,その距離が推算されるに及んで,星雲の一部がわれわれの太陽系を包む巨大な恒星の集りである銀河系の外にあって,銀河系と同等の規模をもつことが明らかになった。
ぎんが【銀河】
児童雑誌。1946年10月~49年8月,新潮社発行。第2次世界大戦後,山本有三を編集顧問に創刊。有三執筆の創刊のことば〈銀河のはじめに〉には,敗戦の中から立ちあがる新生日本の子どもたちに向けて,宇宙の悠久と,真理に生きることの尊さが熱意をこめて語られていた。滑川道夫,高橋健二,吉田甲子太郎らが編集長を務めた。国語国字問題に熱心な有三の主張から,初めは2段横組みを用いたが,読者の支持が得られず,後半は縦組みに改められた。
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知恵蔵
「銀河」の解説
銀河
恒星と星間物質などからなる大集団。恒星に次ぐ宇宙の最も基本的な構造。典型的なものは、数千億個の恒星と星間物質が、直径数十万光年の範囲に密集している。銀河の質量、大きさは様々で、形から楕円銀河、渦巻き銀河、棒渦巻き銀河、不規則銀河に分類される。これらの構造は、力学的な釣り合いの違いで理解される。太陽が属する銀河が銀河系で、渦巻き銀河の1つ。恒星やガスは円盤状に集中し、直径約10万光年の回転する銀河円盤を作る。銀河円盤の中心にはふくらみ(バルジ)があり、円盤内では、ガスや若い星が集まって渦巻き構造を作る。さらに、銀河円盤を囲んで、球状星団など古い天体が球状に広く分布(ハロー)する。質量の90%以上は、広がった暗黒物質のハローが占めていると考えられる。太陽は、銀河系の中心から約2.8万光年離れた銀河円盤内にある。
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普及版 字通
「銀河」の読み・字形・画数・意味
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世界大百科事典内の銀河の言及
【星雲】より
…雲のように見える天体ということで星雲と呼ばれたが,星雲の中には,われわれの銀河系内の星間物質が光り輝いているものと,銀河系のはるか外側にあって,数十億個から数兆個の恒星の大集団であるものとの二つがあり,前者を銀河系内星雲,後者を銀河系外星雲と呼んでいた。現在では,これを区別して,銀河系内星雲を単に星雲,銀河系外星雲を銀河galaxyと呼んでいる。…
【児童雑誌】より
… 昭和初期には,プロレタリア児童誌《少年戦旗》(1929)が生まれたが,すぐ廃刊になり,1937年の日中戦争を境にして児童雑誌も徐々に統制され,44年には《日本ノコドモ》《良い子の友》《少国民の友》《少年俱楽部》《少女俱楽部》の5誌だけになった。 第2次世界大戦後は,《赤とんぼ》《子どもの広場》《銀河》(1946),《少年少女》(1948)などの文芸的に質の高い良心的雑誌がせきを切ったように創刊されたが,50年までにはみな廃刊となり,かわって《おもしろブック》《少年》《少女》《漫画少年》など一連の新しい大衆娯楽雑誌がつぎつぎに登場した。そしてテレビの発達とともに,〈読む〉雑誌から〈見る〉雑誌へ,月刊から週刊へと移りかわり,現在では,児童雑誌といえば学年別月刊誌以外はほとんどが週刊劇画雑誌で,年齢を問わず,幅広く読まれている。…
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