改訂新版 世界大百科事典 「キノグナツス」の意味・わかりやすい解説
キノグナツス
Cynognathus
爬虫類の単弓亜綱Synapsidaに属する哺乳類様爬虫類の1属。古くは獣弓目(獣窩目)Therapsidaに入っていたが,新目テロサウリアTherosauriaのキノドン下目Cynodontiaに含まれる。三畳紀初期に栄え,南アフリカではキノグナツス帯を作る。アルゼンチンにも同じように栄えた時期がある。食肉性で,犬歯が大きく,切歯と頰歯は区別される。頰歯には複数の咬頭がみられる。頭骨口蓋部に二次口蓋がある。指は各足とも5本ある。足はあまり長くないが,腹を地面につけることなくしっかりと体を持ち上げて歩いた。尾はかなり長い。全体の大きさは大型のイヌないしオオカミほどのものである。
執筆者:長谷川 善和
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