食の医学館 「キンシンサイ」の解説
キンシンサイ
《栄養と働き&調理のポイント》
キンシンサイはカンゾウの仲間の花のつぼみを乾燥させたもので、アジア東部が原産地のユリ科の多年草です。
キンシンサイとして利用されるのは「ヤブカンゾウ」あるいは「ノカンゾウ」で、このつぼみが黄色くて細く尖(とが)っていることから、その名がつきました。
食用とされているのは、6~8月ころのつぼみです。
中国では古くから揚子江(ようすこう)流域で栽培されており、中華料理の食材として定着しています。
また、その昔、航海の際に船の乗組員らがビタミン欠乏症にならないよう、かならず中国茶とキンシンサイを船に積んでいたともいわれています。
〈貧血予防、精神安定に有効〉
○栄養成分としての働き
それほど重宝されているキンシンサイには、ビタミンB1、B2、Cやカロテン、鉄分をはじめとするミネラルが豊富に含まれているので、免疫力を高める効果があります。
とくに鉄分が多いとされ、すぐれた止血・増血作用があり、貧血予防にも役立ち、精神を安定させる働きもあります。
調理の際は、軽く水洗いしてぬるま湯でもどし、スープの具や炒(いた)めものに使います。もどし汁も捨てずに使いましょう。