日本大百科全書(ニッポニカ) 「クライアー」の意味・わかりやすい解説
クライアー
くらいあー
Andreas Cleyer
(1634―1697/1698)
植物愛好家。プロシアのカッセルに生まれる。オランダ東インド会社に入社。バタビア(現、ジャカルタ)に居住。1682年(天和2)に長崎のオランダ商館長として来日。長崎ではオランダ風にアンデレイス・ケレイルとよばれていた。1686年にバタビアに帰り、その地で没した。植物を愛し、在日中に1360種余りの植物を採集し、図説して友人のメンツェルChristian Mentzel(1622―1701)に送り、そのうちの53種がドイツの学術雑誌に掲載された。そのほか漢籍なども集め、のち植物図説とともにベルリンの王立図書館に寄贈し、ドイツにおける日本研究の基礎をつくるのに貢献した。しかし、日本の博物学の発達に直接寄与するところは少なかった。
[真船和夫]