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博物学 はくぶつがく natural history

翻訳|natural history

6件 の用語解説(博物学の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

博物学
はくぶつがく
natural history

自然史,自然誌とも記す。天然に存在するもの,すなわち動物,植物,鉱物について,その種類,性質,産状などを調査記載する学問であったが,とりわけ生物は多彩で興味ある事項が多いので,その比重が大きい。

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デジタル大辞泉の解説

はくぶつ‐がく【博物学】

動物・植物・鉱物・地質など、天然物全体にわたり種類・性質・分布や生態を研究し、記載する学問。現代では各分野が高度に分化している。自然誌。

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百科事典マイペディアの解説

博物学【はくぶつがく】

自然界に存在する動物,植物,鉱物などの形状,性質,分布を記載し,それらを秩序よく分類することを目的とする学問。古くギリシア時代に始まり,16世紀後半から発達し,ゲスナードドネウスらの博物学者の出現を見た。
→関連項目生物学野呂元丈大和本草

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世界大百科事典 第2版の解説

はくぶつがく【博物学 natural history】

自然史,自然誌とも訳される。元来は,主として天然に存在する多様な動物,植物,鉱物(つまり自然物)の種類,性質,分布などの記載とその整理分類の学であった。その成果が自然誌(博物誌)であるから,博物学は自然誌学であったともいえる。古くは自然現象や地理,住民,産物なども対象とする自然学に包含されていたが(アリストテレスなど),科学の分化・発展にともない狭義の自然科学が確立されるにつれて,それと対置されるようになった。

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大辞林 第三版の解説

はくぶつがく【博物学】

自然物、つまり動物・植物・鉱物の種類・性質・分布などの記載とその整理分類をする学問。特に、学問分野が分化し動物学・植物学などが生まれる以前の呼称。また、動物学・植物学・鉱物学などの総称。自然誌。自然史。ナチュラル-ヒストリー。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

博物学
はくぶつがく
natural history

広義には動物・植物・鉱物などの自然物の種類・性質・分布・生態などを研究する学問。狭義には動物学、植物学、鉱物学、地質学の総称。同義語に博物誌、自然誌などがある。現代では自然物に関する各分野の科学が高度に分化、発展しているため、総称としての博物学という語が使われることはほとんどない。
 人間の生活と深いかかわりをもつ動植物、鉱物などの自然物を薬用に用いる研究は古くから中国にあり、5世紀ごろに『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』『博物志』などの著作が出るに及んで本草学として初めて学問となった。この中国の本草学が『新修本草』として日本に入ってきたのは8世紀ごろと考えられる。その後、中国も日本も戦乱の時代が続いたため、学問一般の発展はみられなかった。17世紀初めに至り、徳川幕府が成立し、学芸が隆盛し始め、徳川家康自身も本草学に深い関心をもっていたことなどから、医師たちの間で薬用としての動植物の研究、記録が進められた。さらに中国の李時珍(りじちん)が著した『本草綱目』が日本に渡来し(1590)、当時の本草学者、貝原益軒、小野蘭山(らんざん)、稲生若水(いのうじゃくすい)らは大きな影響を受けた。なかでも貝原益軒は『大和(やまと)本草』をはじめ『花譜』『諸菜譜』などの書物を刊行し、本草、博物学の啓蒙(けいもう)普及に努めた。このように江戸時代に至って日本の本草学は成熟発展し、また博物学としての形を整えたと考えられる。
 また江戸時代の中期、スウェーデンの博物学者ツンベルクが来日した(1775)。彼は、博物学の基礎となる動植物の分類学をおこしたスウェーデンの学者リンネに学んだ人物で、日本滞在の数年間に、動植物の標本など多数を得て帰国、『日本植物誌』(1784)、『日本動物誌』(1822~1823)などをまとめた。時を同じくして、日本でも蘭学の方面で、杉田玄白らの『解体新書』の完成(1774)があり、従来の実用を主とした本草学を基盤とした日本の博物学に対して、ヨーロッパの科学の方法を導入したものが生まれてきた。
 ヨーロッパにおける博物学は、ギリシアのアリストテレス以来、動植物、鉱物など自然物についての研究がなされ、科学としての体系を形成してきた。イタリアのレオナルド・ダ・ビンチによる「解剖図」や、オランダのレーウェンフックの自家製の顕微鏡による微生物の観察記録などには、実用にとらわれない真理探究の情熱がうかがわれる。イギリスのハーベーの血液循環の原理発見や、イタリアのマルピーギのマルピーギ管の発見などがあり、学理研究としての博物学が17世紀に確立されていった。18世紀以後、ドイツのゲーテの『植物変態論』はじめ、フランスのラマルクの『動物哲学』、イギリスのC・ダーウィンの『種の起原』などが現れるに及んで、生物進化の思想を基本とした博物学となり、現代生物学への道を進むのである。
 現代生物学は多くの分野に細分化され、その本質としての生物進化の探究から離れる傾向がなきにしもあらずである。実用の学問であった本草学が、科学としての博物学に発展したにもかかわらず、ふたたび実用のみのライフ・サイエンスにゆくようなことは避けなければならない。博物学は、「自然誌」ということばが示すように、あくまで自然のなかでの自然物の生活を研究し、記録する生物学の重要な分野である。[國井嘉章]
『上野益三著『日本博物学史』(1973・平凡社) ▽小野蘭山他著、上野益三解説『博物学短篇集』上下(1982・恒和出版)』

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世界大百科事典内の博物学の言及

【自然誌】より

…自然の動物,植物,鉱物,また広くは天体,気象,地理や住民についても,網羅的に記載した編纂物を言い,〈博物誌〉とも呼ばれる。自然誌は〈自然について誌したもの〉という意味であるが,中国では誌を〈志〉とも書き,《漢書》以来〈天文志〉〈地理志〉〈食貨志〉などと呼ばれていた。〈自然史〉と訳されることもあるが,ここでのhistoryはstoryと同じ〈物語〉の意で,自然を歴史的に扱った自然史は18世紀までなかった。…

【格物致知】より

…近年,自然学の諸分野(宇宙論,天文学,気象学,化学,地理・地図学,生物学)における彼の卓越した見解が再評価されつつあるが,これも彼自身の格物の成果である。のちに,博物学は格致と呼ばれるようになり(清代に《格致鏡原》という本が編まれている),19世紀後半,欧米の科学技術が中国に入ってきたとき,科学にもまた格致や格物という語があてられ,軍艦や鉄砲などの生産技術は伎芸や製造と呼ばれた。また,アメリカのW.A.P.マーティンは,丁韙良(ていいりよう)という中国名で自然科学の概説書《格物入門》(1868)をあらわしたし,中国における最初の理科専門学校の名は格致書院(1875創設)であった。…

【生物学】より

…ガレノス(2世紀)はさらに医学の面から,解剖学およびこれと表裏一体のものとしての生理学の方向を確立した。これと,珍奇な生物や薬草の知識を主とする博物学とが,中世末までの生物学の内容であった。医学知識は人体の構造を中心としていて,比較と一般化の視点は乏しかった。…

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