日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
クリーブランド・インディアンス
くりーぶらんどいんでぃあんす
Cleveland Indians
アメリカのプロ野球球団。アメリカン・リーグ所属（中地区）。フランチャイズをオハイオ州クリーブランドに置き、プログレッシブ・フィールドを本拠地としている。球団名の変遷は、クリーブランド・ブルース（1901年）―クリーブランド・ブロンコス（1902年）―クリーブランド・ナップス（1903年）―クリーブランド・インディアンス（1915年）。
1869年に誕生したフォレストシティーズが起源。その後、ナショナル・アソシエーション、アメリカン・アソシーエション、ナショナル・リーグと移り、球団名もブルース、スパイダーズなどを名のったが、1901年にアメリカン・リーグが誕生すると同時に加盟してブルースとしてスタートした。1902年の途中でフィラデルフィア・アスレチックス（現オークランド・アスレチックス）から強打者ナップ・ラジョイNap Lajoie（1874―1959）が加入、主力選手の名を冠して03年から球団名をナップスと改称した。ラジョイは1905年からは監督を兼務することになった（10年からふたたび選手専任）。ラジョイが1914年限りでフィラデルフィア・アスレチックスへ再移籍すると、15年から現名称となった。1920年には選手兼任監督トリス・スピーカーのもとに球団初優勝。ブルックリン・ロビンス（現ロサンゼルス・ドジャース）とのワールド・シリーズにも勝ち、「世界一」となった。2回目の優勝は1948年。投手陣に「火の玉投手」とよばれた快速球のボブ・フェラーとボブ・レモンBob Lemon（1920―2000）がそろい、打線には監督兼任で強打を発揮し、最優秀選手（MVP）となったルー・ブードローLouis Boudreau（1917―2001）、アメリカン・リーグ初の黒人選手となった強打のラリー・ドビーLarry Doby（1924―2003）を擁する強力な陣容で、ワールド・シリーズでもボストン・ブレーブス（現アトランタ・ブレーブス）に勝った。1954年にもリーグ優勝したが、ワールド・シリーズではニューヨーク・ジャイアンツ（現サンフランシスコ・ジャイアンツ）に4連敗でストレート負けした。1969年に両リーグ2地区制となって東地区に配属され、現本拠地が開場した94年からは両リーグ3地区制で中地区所属となった。快足ケニー・ロフトンKenny Lofton（1967― ）、左右両打席で強打を振るったエディー・マレー、長距離砲アルバート・ベルAlbert Belle（1966― ）らを中心に強力打線を形成し、1995年には41年ぶりにリーグ優勝した。以後、主軸打者マニー・ラミレス、ジム・トーミーなどの活躍で1999年まで5年連続地区優勝と黄金時代を築き、97年は5回目のリーグ優勝を果たしたが、95年同様、ワールド・シリーズで勝つことはできなかった。2001年には地区優勝するもプレーオフで敗退、02年から04年までは下位に低迷した。
［山下 健］
2005年以降
2005年は2位、06年は4位に落ちたものの、07年には7回目の地区優勝を果たした。しかし、プレーオフではボストン・レッドソックスに敗れ、リーグ優勝はならなかった。2008年より、本拠地をジェイコブス・フィールドから現名称へ改称した。なお、日本人選手では、多田野数人(ただのかずひと)投手（2004～05年）、小林雅英投手（2008年～）がプレー。
1901年から2007年までの通算成績は、8476勝8096敗、地区優勝7回、リーグ優勝5回、ワールド・シリーズ優勝2回。
［編集部］