東洋美術のコレクションで有名なアメリカの美術館。1913年に設立され、1916年オハイオ州エリー湖のほとりに新古典様式の美術館が開館した。4万点以上の作品を所蔵、東洋関係の収集品は世界屈指とされているが、これは第二次世界大戦後日本に滞在し、1958年から1983年まで館長であったシャーマン・リーSherman E.Lee(1918―2008)に多くを負っている。日本美術では天平(てんぴょう)~貞観(じょうがん)期の日光菩薩坐像(ぼさつざぞう)、藤原時代の薬師如来(にょらい)坐像、また『熊野曼荼羅(まんだら)』、相阿弥(そうあみ)の『伝瀟湘(しょうしょう)八景図』などを所蔵する。また西洋美術は古代のシュメール彫刻『グデア像』からピカソ作『生』など、現代に至る美術、工芸を網羅する。ドイツのブラウンシュワイク大聖堂からもたらされた8世紀にさかのぼる「ゲルフの宝物」を含む中世美術のコレクションでも、世界有数の美術館として知られている。
[湊 典子・吉川節子]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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