日本大百科全書(ニッポニカ) 「クレツキー」の意味・わかりやすい解説
クレツキー
くれつきー
Paul Kletzki
(1900―1973)
ポーランド生まれのスイスの指揮者。ワルシャワ音楽院出身。1921年からベルリンで作曲、指揮活動を始める。ナチスの政権獲得後、イタリアを経てスイスに移った。54年リバプール、58年ダラス、64年ベルンの各オーケストラの常任指揮者を経て、67~70年スイス・ロマンド管弦楽団の常任となる。63年(昭和38)日本フィルハーモニーの招きで単身来日、68年スイス・ロマンド管弦楽団と来日。ドイツ・ロマン派、ロシア音楽を主たるレパートリーにしていたが、やや個性に乏しく、アンセルメ時代のスイス・ロマンドの水準を維持することができなかった。
[岩井宏之]