日本大百科全書(ニッポニカ) 「クレプス」の意味・わかりやすい解説
クレプス
くれぷす
Edwin Theodor Albrecht Klebs
(1834―1913)
ドイツの細菌学者。ケーニヒスベルク、ウュルツブルク、ベルリンの各大学に学ぶ。ヘルムホルツ、ウィルヒョウに師事し研究した。1866年ベルン大学助教授、1872年ウュルツブルク大学教授、1882~1893年チューリヒ大学教授を務め、1894年アメリカに渡り1896年ラッシュ医科大学教授。1900年ドイツに戻った。
ウシ結核菌発見以前に、1873年、牛乳によるウシ結核経口感染を発表、梅毒病原スピロヘータ発見以前に、1878年、サルによる梅毒研究を発表した。1883年、ジフテリア患者偽膜中のメチレンブラウ親和性の強い桿菌(かんきん)(ジフテリア菌)を顕微鏡により発見、これは翌1884年レフラーが追試承認し、純培養に成功した。フリードレンデル肺炎桿菌と俗称された細菌とその近縁菌はKlebsiella属に分類されるが、この属名は、この細菌に関する最初の研究者クレプスにちなむものである。
[藤野恒三郎 2018年7月20日]