改訂新版 世界大百科事典 「クロサンドラ」の意味・わかりやすい解説
クロサンドラ
Crossandra
キツネノマゴ科クロサンドラ属(ヘリトリオシベ属)に属する常緑低木または多年草で,熱帯アフリカ,マダガスカル,インドに20種あまりがある。日本では観賞用にジョウゴバナC.infundibuliformis Nees(一名ヘリトリオシベ)がおもに栽培されている。葉は対生し,濃緑色で光沢がある。花はおもに夏のころ,頂部の葉腋(ようえき)から花穂をだしてつき,じょうご状で橙赤色,先端部は5裂し下部は管状となり,四角ばった苞の下部から順次咲く。一般に栽培されるのはこのジョウゴバナと,これをヨーロッパで改良した園芸品種モナ・ウォールヘッドcv.Mona Wallhedである。ほかに茎や葉に軟毛があるシラゲキツネノヒガサC.nilotica Oliverも栽培される。温室で冬は10℃以上を保つ。陽光下に置くが,真夏の時期だけは明るい日陰がよい。培養土は腐植土を主にした軽い土。繁殖は実生もしくは挿木による。
執筆者:坂梨 一郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報