クワース(読み)くわーす(その他表記)квас/kvas ロシア語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クワース」の意味・わかりやすい解説

クワース
くわーす
квас/kvas ロシア語

ロシア特産の軽い醸造酒。酒精分1~2%で清涼飲料水として愛用される。一般には、等量の麦芽・ライ麦芽・ライ麦粉を沸騰水に入れ、酵母かライ麦パンを加えて造る。香味づけにハッカなどを用いる。ほかに、甘味パンクワースと酸味レモンクワースがある。前者は、黒パンをちぎって水に浸し布で漉(こ)して、濾液(ろえき)に砂糖パン酵母を加えて発酵させ、干しぶどうなどで味つけしたもの。後者は、干しぶどうやミカンの汁に砂糖を加え、その煮だし汁にパンやパン酵母を入れ、発酵させてつくる。また黒パンをよく焼いて細かくちぎり、茶でハッカを煮だした液を加えて密封して置くと、クワースができる。酸味があってドイツのワイスビールに似ている。

[秋山裕一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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