コガネウロコムシ

改訂新版 世界大百科事典 「コガネウロコムシ」の意味・わかりやすい解説

コガネウロコムシ

多毛綱コガネウロコムシ科Aphrodita属の環形動物の総称背面黄金色の剛毛で覆われるところからこの名がある。また背中が盛り上がり,泥をかぶって灰色になっているところからウミネズミという俗称で呼ばれる。英名sea-mouse。日本には6種あり,各地の潮間帯から水深800mの海底にすむ。雑食性で有機沈殿物や死んだ動物などを食べている。ニホンコガネウロコムシA.japonicaは体長5~10cmの長い楕円形で,環節数38~45。背面には15対の薄いうろこをもっているが,その上に羊毛状の細い毛が覆っているために外からは見えない。頭部には1本の感触手と2対の小さい眼点がある。いぼ足の側面と背面から生ずる密毛のほかに背面からも先端がかぎ状になった背足枝剛毛が生じ,長いものは正中線を越して左右の剛毛が互いに交わっている。腹足枝剛毛は赤銅色で太い。日本各地に分布する。
執筆者:


出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android