改訂新版 世界大百科事典 「コリデール種」の意味・わかりやすい解説
コリデール[種]
Corriedale
メンヨウの一品種。ニュージーランド南島のコリデール牧場で,毛用のメリノ一種の雌に,肉用のリンカン種,ロムニー・マーシュ種,レスター種の雄を交配して作られた毛肉兼用種。雌雄とも無角で体格は中型(雌65kg,雄90kgぐらい)。毛質は中程度で,産毛量は年に4~7kg。肉質もよく,枝肉歩留りは45~50%である。体質強健で,気候風土への適応性も強く,粗飼料の利用性も高いので飼いやすい。日本には1914年以降たびたび輸入され,戦前の日本で飼養されたメンヨウの大部分は本種由来の日本コリデール種であった。60年ころからその数は急速に減少し,現在は北海道・東北を中心に飼われて肉用として他品種との雑種生産に用いられている。原産地ニュージーランドをはじめ,オーストラリア,アメリカ,アルゼンチンなどで広く分布飼養されている。
→ヒツジ
執筆者:正田 陽一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報