岩石学辞典 「コルディレラ型花崗岩」の解説 コルディレラ型花崗岩 I型花崗岩の区分の一つで,トナル岩が多いが,組成的には閃緑岩からモンゾニ花崗岩に連続的に変化する.鉱物組成は角閃石と黒雲母が多く,他に磁鉄鉱,スフェンが含まれる.カリ長石は他の結晶粒の間を充填して他形である.岩石標本は桃色である.捕獲岩は閃緑岩質で,おそらく流動しない残渣部分の物質を示している.Al/(Na+K+Ca/2)のモル値は1.05くらいである.大きく多数の線状の底盤で,複合的なコルドロン(cauldron)の配列を伴っている.この型の岩石は非常に長期にわたって何回も深成活動が続く火成活動に伴われる.斑岩銅モリブデン鉱化作用を伴っている.この型の花崗岩は大陸周縁部の下部の大洋物質の沈み込みによるもので,巨大な複合バソリスを形成する.カルクアルカリ質の母岩漿と大陸地殻物質の同化作用によるものである.岩質はトナル岩,花崗閃緑岩,花崗岩が中心で,深成作用はエピソード的(episodic)で,長期間にわたっている[Pitcher : 1982]. 出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報