コークス比(読み)コークスひ(英語表記)coke ratio

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コークス比」の意味・わかりやすい解説

コークス比
コークスひ
coke ratio

製造される銑鉄単位重量あたりの消費コークス量。通常銑鉄 1tをつくるのに必要なコークスの量で,高炉の操業成績を示す指標として利用される。コークス比が低いほど経済性が高いが,高炉の大型化,銑鉄の品質向上,製銑技術の進歩によって近年大幅に低下。特に日本では外国より低く 0.4~0.65t/t程度である。

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世界大百科事典(旧版)内のコークス比の言及

【原単位】より

…原単位は原価計算における標準原価の算定基礎として重要な概念であるが,そのほかにも,相異なる技術の水準を相互に比較するための基準として利用される。たとえば,日本の製鋼技術の優秀性は,コークス原単位(コークス比(kg/t)=コークス÷銑鉄)の他国に比べての低水準として現れる。原単位は個別企業ないし産業レベルでの概念であるが,投入産出分析(産業連関表)に現れる投入係数は,マクロ・レベルの分析における原単位の対応物である。…

【高炉】より

… なお,この高温ガスの温度あるいは成分(とくに水素H2濃度)を調節するため,送風中に水分を添加する調湿操業,酸素を添加する酸素富化操業,重油,タールあるいは微粉炭を添加する燃料吹込操業が行われる。燃料吹込操業は銑鉄1tを生産するのに必要とするコークス量(コークス比,単位kg/t)を節約する目的をもかねているが,1970年代後半の石油危機に伴う重油価格高騰から,現在では重油の吹込みはその意味を失っている。今後,燃料吹込みの重点は微粉炭の吹込みに移っていくであろう。…

※「コークス比」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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