サキシマバイカダ(読み)さきしまばいかだ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サキシマバイカダ」の意味・わかりやすい解説

サキシマバイカダ
さきしまばいかだ / 先島梅花蛇
[学] Dinodon septentrionalis multifasciatus

爬虫(はちゅう)綱有鱗(ゆうりん)目ナミヘビ科のヘビ。先島(さきしま)諸島に分布する無毒種で、現在までに10頭余りしか採集されていない。全長約70センチメートル、胴も尾も細長くやや側扁(そくへん)する。体背面は淡い灰褐色で、頭頸(とうけい)部から尾端まで紫がかった黒色横帯が並び、後部ほど幅が狭くなる。体形からみて樹上性と考えられ、おもに夜間活動する。餌(えさ)はトカゲ類近縁種は台湾、中国大陸、インドシナ半島、ヒマラヤに分布し、最近になり尖閣(せんかく)諸島の魚釣(うおつり)島から近縁別種が発見されている。なお、本種をオオカミヘビ属Lycodonに含める考え方もある。

[松井孝爾]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のサキシマバイカダの言及

【マダラヘビ(斑蛇)】より

…日本には固有種のシロマダラD.orientalisが本州,四国,九州に,アカマタD.semicarinatus(イラスト)が奄美・沖縄諸島に,センカクマダラD.nigrofasciatusが尖閣諸島に分布するほか,中国,朝鮮半島,台湾に広く分布するアカマダラD.rufozonatusが対馬,尖閣諸島に産する。アカマダラの亜種のサキシママダラD.r.wallが八重山列島に,ヒマラヤ東部に分布するバイカダD.septentrionalisの1亜種であるサキシマバイカダD.s.multifasciatusが八重山列島に産する。 シロマダラはマダラヘビ属ではもっとも北に及んでいる種で,全長30~70cmの小型。…

※「サキシマバイカダ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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