日本大百科全書(ニッポニカ) 「サニタリーユニット」の意味・わかりやすい解説
サニタリーユニット
さにたりーゆにっと
sanitary unit
住宅産業では家をいくつかのかたまりに分けて、あらかじめ工場でつくり、それを現場に運んで組み立てる手法が使われる。その際いちばん手間のかかるところを工業化したほうが有効であるから、工業化はまず水回り部分から始まった。サニタリーユニットとは、そのなかの浴室、洗面所、便所の部分をさす。実際の製品としては、浴室ユニット、洗面所ユニット、便所ユニットなど、ばらばらになったものもあるが、それらが連続して一つになったものもある。ホテルの個室の水回り部分のように、三つの機能を一つの空間に収めた複合ユニットもある。ユニットは最初はホテル用として開発されたが、その後、集合住宅用として普及し、戸建て用へと広がった。ユニットによって建築の工期が短縮され、また自由な階に浴室や便所を設けることが可能になったため、住宅の設計技術のうえでも大きく貢献している。
[小原二郎]