サヤワムシ(読み)さやわむし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サヤワムシ」の意味・わかりやすい解説

サヤワムシ
さやわむし / 鞘輪虫

袋形(たいけい)動物門輪毛虫綱ハナビワムシ目サヤワムシ科Flosculariidaeの動物の総称狭義ではフロスクラリア属Floscularia訳語。ゼラチン状の分泌物に排出物や粒状の他物を幾何学的に付着させた管状の巣の中に生息する。足部は長く水草や水生昆虫の巣などに付着し生活する。幼生と雄は外形がよく似ており、目を備え水中を遊泳する。背部触感器の長さ、輪毛器における花びら状突出部の数の差などにより7属に分類される。和名マルサヤワムシは、雌が収まる管状巣は赤褐色の小粒からなり長さ1.9ミリメートル。雌は体長1.5ミリメートルで、雄は0.6ミリメートル。各地の水草に付着しているが、あまり目につかない。

[鈴木 實]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android