さらで

精選版 日本国語大辞典 「さらで」の意味・読み・例文・類語

さら‐で

  1. 〘 連語 〙 ( 動詞「さり(然有)」の未然形助詞「で」の付いたもの ) 「さらず」の接続表現。そのようでなくて。そうでなしに。
    1. [初出の実例]「うちしきり見ゆる人の、今宵いみじからん雨にさはらで来たらんは、なほ一夜もへだてじと思ふなめりとあはれなりなん。さらで、日ごろも見えず〈略〉かかるをりにしも来んは、さらに心ざしのあるにはせじとこそおぼゆれ」(出典:枕草子(10C終)二九二)
    2. 「主上さて渡せ給へば、政務に口入(こうじゅ)する計也。それもさるべからずは、自今以後さらでこそあらめ」(出典平家物語(13C前)三)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

戒厳令

一般的には指定地域で、国の統治権の全部または一部を軍に移行し、市民の権利や自由を保障する法律の一部効力停止を宣告する命令。戦争や紛争、災害などで国の秩序や治安が極度に悪化した非常事態に発令され、日本...

戒厳令の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android