さりとては

精選版 日本国語大辞典 「さりとては」の意味・読み・例文・類語

さりとて は

① そうかといって。それにしても。そうではあっても。
源氏(1001‐14頃)蜻蛉「さて、にはかに人の亡せ給へらん所は、論なう、騒がしう、人しげく侍らむをときこゆ。さりとては、いとおぼつかなくてやあらむ」
平家(13C前)七「かく打ちすてさせ給ひぬれば、たのむ木のもとに雨のたまらぬ心地ぞせられける。さりとては行幸ばかりなり共なしまゐらせよとて」
② (①から転じて、強意感動をこめて用いる) そう考えてみると、まったく。ほんとうに。さてさて。
史記抄(1477)一五「丞相には誰であらうぞ、さりとては魏其こそよからうずらうなんどと」

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