朝日日本歴史人物事典 「サン・ジョヴァンニ」の解説
サン・ジョヴァンニ
明治期に来日したイタリア人画家。工部美術学校教師。フォンタネージの後任フェレッティの解任後,工部美術学校に招かれ明治13(1880)年来日する。3年間の在職中,画学科のほか,予科,彫刻学科の絵画授業も担当した。人物画を得意とし教授法も巧みで,フォンタネージとは異なる西洋画法の新生面を生徒たちに開いた。14年の第2回内国勧業博覧会には,自ら「工部卿山尾庸三像」などを出品したほか,生徒作品の出品も実現させた。門下に藤雅三,堀江正章,曾山幸彦らがあり,いずれも明治中期洋画の推進者となった。16年工部美術学校閉校に伴い任を解かれ,その後離日した。
(三輪英夫)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報