改訂新版 世界大百科事典 「サンマロ湾」の意味・わかりやすい解説
サン・マロ湾 (サンマロわん)
Golfe de Saint-Malo
フランス北西部,ノルマンディーのコタンタン半島西岸とブレア島付近までのブルターニュ半島北岸東部に抱かれ,イギリス海峡に臨む湾。サン・マロがその湾奥部にあり,沖合にイギリス領のチャンネル諸島がある。
周辺の地質は主として始生代ないし古生代古期のアルモリカン山地の岩石から成る。西部は海食崖,東部は砂浜海岸が多い。干満の差が大きく,13mにも達し,サン・マロの近くにランス潮力発電所がある。水深は10~50mの部分が大半を占める。湾奥部にあるモン・サン・ミシェル島には有名な修道院があり,付近は干潟が広く,干拓事業が進められている。湾岸の年平均気温は約11℃,7月の月平均気温は17℃である。サン・マロ付近はコート・デムロード(エメラルド海岸)と呼ばれる景勝の地であり,ディナールほかの海水浴場がある。サン・マロは遠洋漁業の基地であり,タラなどが水揚げされるが,沿岸では,カニ,エビ,カキ,ムール貝などがとれる。
執筆者:細井 将右
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報