たら(読み)タラ

デジタル大辞泉の解説

たら[副助]

[副助]《「とやら」の音変化。近世上方語から》下に「言う」「申す」などの動詞を伴って、不確かな気持ちを提示するのに用いる。とか。
「大見屋の娼婦(ぢょらう)大角さん―いふのでおます」〈洒・色深猍睡夢〉

たら[係助・終助]

[係助]《「といったら」の音変化》名詞、活用語の終止形・命令形に付く。多く「ったら」の形をとる。
話題として、人や物事を取り上げ、予想外であるという意や蔑視する意を表す。「彼ったら案外はにかみやね」「私の学校ったらずいぶん古いのよ」
ある状態・性質を取り上げ、それが普通の程度を超えていることを表す。「つまらないったらないんだ」「彼の秀才ぶりったら抜群だ」
強調の意を表す。「行くったら行くよ」「よせったらよせよ」
[終助]《係助詞「たら」の文末用法から》名詞、活用語の終止形・命令形に付く。
じれったいという気持ちを込めて相手に促す意を表す。「ねえ、おとうさんたら
驚き・いらだちなどの気持ちを表す。「まあ、あなたったら」「いいかげんにしろったら

たら[終助]

[終助]《過去の助動詞「た」の仮定形「たら」の、仮定を表す「ば」を伴わない用法が固定化したもの》活用語の連用形に付いて婉曲に命令・勧告する意を表す。「早く着替えしたら」「とにかく返事だけしといたら

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

大辞林 第三版の解説

たら

助動
完了の助動詞「た」の仮定形。 → 助動

たら

副助
とやらの転。近世上方語
漠然と指示するのに用いる。とか。 それから江戸をたつて、鈴が森-いふとこへ来て/滑稽本・膝栗毛 5

たら

といったらの転。ったらの形で用いられることが多い
係助
名詞、動詞・形容詞、一部の助動詞の終止形、形容動詞・助動詞「そうだ」の語幹に接続する。
軽い非難・軽蔑、または親しみの気持ちをこめて、話題として提示する。 おとうさん-、なかなか起きないのよ あの店っ-、サービスが悪いんだから
異常な性状であることを述べる場合、それがどんな点についてであるかを驚きの気持ちをこめて提示する。「たらない」の形でも用いられる。 あの痛さっ-、何ともいいようがない この店のそばは、おいしいっ-、天下一品だ ほんとうにうるさいっ-ないね
終助
名詞および活用語の終止形に付く。
じれったい気持ちで呼びかける。あなたっ-。返事ぐらいしてよ早く早く、お母さん-
意味を強めて言い切る。いやだっ-私がするっ-
活用語の言い切りの形(時には連用形や助詞「て」など)に付く。命令・要求などを表す文に多く用いられ、自分の意向がなかなか相手に通じないことをいらだたしく思う気持ちをこめていう。 早く起きなさいっ- もっと静かにっ- 今日はゆっくりしてっ-

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

たら

〘名〙 植物「たで(蓼)」の古名。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕

たら

連語
[一] (「といったら」の変化した語) =ったら
※社会百面相(1902)〈内田魯庵〉老俗吏「鰐塚大五郎たら壮士を手足のやうに動かす名人だと」
[二] (「とやら」の変化した語。副助詞用法) 漠然と指示するのに用いる。…とか。…とやら。
※滑稽本・東海道中膝栗毛(1802‐09)五「鈴が森たらいふとこへ来て」
[三] …たならば。「呼ばれたら行く」「もっと若かったらなあ」

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