シェア自転車

共同通信ニュース用語解説 「シェア自転車」の解説

シェア自転車

都市内に置かれた貸し出し用の自転車を、利用者がスマートフォンを使って自由に使えるサービス。自転車に通信機能が付いており、衛星利用測位システム(GPS)によってスマホ画面の地図上で空いている自転車がどこにあるのかを確認できる。中国では近くへの移動路線バスマイカーの代わりに使う人が増え、大気汚染が深刻な中で環境対策としても注目されている。一方、放置自転車が道をふさいだり、利用者が勝手に改造して私物化したりと問題が相次いでいる。(北京共同)

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知恵蔵 「シェア自転車」の解説

シェア自転車

新しい仕組みの自転車貸し出しサービス。従来レンタサイクルと違い、所定ポート(駐輪場)で自転車を借り、別のポートで自由に乗り捨てできるのが特徴。会員登録が必要で、一般に自転車の施錠・解除などは操作パネルにICカードやスマートフォンをかざして行う。料金設定は、時間単位・1日契約・月契約の3段階が多い。
シェア自転車は、モノ、サービス、空間などを、必要なときに共有または貸し借りするシェアリング・エコノミーの一つ。自宅を宿泊施設として提供する民泊サービスのAirbnb、自家用車で客を指定の場所に運ぶ配車サービスのUberなどは、世界中に定着している。とりわけ自転車は環境への負荷が小さいため、欧米では早くから導入されてきた。国土交通省もコミュニティサイクル事業として力を入れており、2016年10月1日時点で、全国87都市がまちづくりの一環として本格導入している。大都市圏では放置自転車の削減や自動車利用の抑制、地方では公共交通機関の補完役などとしても期待されている。
17年8月には、中国のシェアサイクル最大手モバイク(Mobike)が日本に上陸。北海道札幌市でサービスを開始し、大きな注目を集めている。モバイクは15年に設立されたばかりのベンチャー企業だが、同社のサービスは手頃な値段で、道路脇(駐輪スペース)のどこでも乗り捨て自由、スマートフォンのアプリで空き車両の位置確認から決済まで完了できるという利便性の良さで、またたく間に中国全土に普及した。車両にはGPSや通信装置が内蔵されており、遠隔操作によるロックも可能。全車両の移動情報を把握できるので、自転車の再配置から盗難や駐輪スペース外の違法放置などにも効率よく対処できるという。ただし、日本は駐輪スペースが少なく、道路管理も厳格なため、中国本土のように浸透するかどうかについては、否定的な見方も多い。モバイクはテンセントや鴻海(ホンハイ)精密工業の出資を受け、シンガポール、イギリス、イタリアなどにも進出している。

(大迫秀樹 フリー編集者/2017年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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