改訂新版 世界大百科事典 「シャンティニケータン」の意味・わかりやすい解説
シャンティニケータン
Shantiniketan
インド北東部,西ベンガル州中西部,ビルブム県のボールプル近郊の地名。シャンティは〈平和〉,ニケータンはサンスクリットで〈すみか〉を意味し,地名は〈平和の郷〉の意。ビシュバ・バーラティーVisva Bhāratī(インド国際)大学の所在地として有名である。1863年,詩人R.タゴールの父がここに宗教道場を開き,のちにはタゴール自身が学校を設立した。タゴールは1913年に受賞したノーベル文学賞の賞金を学校運営にあて,同校は21年,東洋と西洋との相互理解の促進をめざす大学へと発展,インド独立後の51年には国立大学となった。タゴールと岡倉天心の交友以来,この地は両国間の文化交流に寄与している。大学には美術・工芸,音楽・舞踊,日本語科を含むアジア諸言語などのカレッジがある。
執筆者:応地 利明
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報