カレッジ(読み)かれっじ(英語表記)college

翻訳|college

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カレッジ」の意味・わかりやすい解説

カレッジ
かれっじ
college

ラテン語コレギウムに由来する高等教育単科大学をさす。同じ語源でもイギリスアメリカ以外の国で使われるときは、かならずしも高等教育の施設でない場合もある。もともとは、パリ大学ソルボンヌコレージュのように、中世において大学が発展していくおりに共同宿泊施設として発達したものであるが、純粋な教育施設としては13世紀にオックスフォード大学に設けられたマートン・カレッジが最初である。イギリスでは伝統的な大学は数多くのカレッジを設け、そこで学生が共同宿泊して学習および研究をする。ほかの近代的な高等教育機関にカレッジと称するものがあるが、これらはいわゆる単科大学である。アメリカの場合には普通、4年制の単科大学をカレッジと称し、総合大学(ユニバーシティ)と区別している。また、2年制の短期の高等教育機関はジュニア・カレッジと称される。また最近はコミュニティ・カレッジも普及しつつある。カレッジは一般に教員養成や、医学、法律、経済、技術などの高度の職業的高等教育の施設である。

[手塚武彦]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カレッジ」の意味・わかりやすい解説

カレッジ
college

主として学位授与権をもつ高等教育機関の意味で使われているが,総合大学の構成学部をさすこともある。その起源は中世のパリ,オックスフォード,ケンブリッジ各大学の寄宿舎にある。当初これらの寄宿舎は修道院貴族の寄付金によって設立されるものが多かったが,13世紀に入ると法律に基づく法人団体として次第に組織的なものとなり,教師と学生がともに起居する教育,研究の場所となった。イギリスでは特に,学生を個人指導するチューター制度とともに,独特な寄宿舎教育として発展した。このイギリス風のカレッジはアメリカに移入され,次第に独自の変遷をとげ,学士号をとる4年制の教育機関を意味するようになった。初めは古典的教養が主とされたが,19世紀後半になると,自然科学や実用的な学問が授業科目に加えられた。また学問研究や高度の専門教育が重視されるに伴い,大学院 (グラデュエート・スクール) や専門学校 (プロフェッショナル・スクール) が次々に付設され,これに4年制カレッジを加えた総合高等教育機関としてユニバーシティ (大学) が発展した。 20世紀には2年制のジュニア・カレッジも普及した。こうしてアメリカでは,カレッジ・アンド・ユニバーシティが高等教育機関の総称として使われている。

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