精選版 日本国語大辞典 「しわはゆい」の意味・読み・例文・類語
しわ‐はゆ・いしは‥
- 〘 形容詞口語形活用 〙
[ 文語形 ]しははゆ・し 〘 形容詞ク活用 〙 塩気が強い。塩からい。しおはゆい。しわはやし。- [初出の実例]「大海は同一に醎(シハハユシ)と雖も」(出典:大般譬喩経治安四年点(1024)八)
- 「今は云く、彼処、浪も他処に異ならず、水も同くしははゆき水也」(出典:正法眼蔵随聞記(1235‐38)一)
しわはゆいの語誌
語源については、「しはぶる」などに含まれる「唇」に関わる「しは」と「はゆし」が複合したとする説と、「しほ(塩)」と「はゆし」が複合した「しほはゆし」からとする説とがある。ただし、文献上は「しははゆし」が中古から見られるのに対して、「しほはゆし」は室町頃から見られるにすぎないのが難点。「観智院本名義抄」のシハハユシは「鹹」や「鹵」の訓として見られるが、いずれもカラシあるいはシホカラシとともに出ている。「鹹」の字義が「口がつぼまる塩のからさ」であることを考えれば、「しは・はゆし」とする方が妥当か。