精選版 日本国語大辞典「大海」の解説
たい‐かい【大海】
〘名〙 (「だいかい」とも)
① おおきなうみ。広々としたうなばら。大洋。
※文華秀麗集(818)上・秋朝聴鴈、寄渤海入朝高判官釈録事〈坂上今雄〉「大海途難レ渉、孤舟未レ得レ廻」
※平家(13C前)灌頂「大海(ダイカイ)〈高良本ルビ〉にうかぶといへども潮なればのむ事もなし」 〔後漢書‐東夷伝〕
② 口が広く全体に大きめな茶入れ。
※大乗院寺社雑事記‐長祿二年(1458)四月二七日「茶頭勅願納所曳茶一、大海并一種進レ之」
③ 大形の食籠(じきろう)。〔随筆・嬉遊笑覧(1830)〕
④ 江戸時代、上方で金持をいう語。
※新板当世むりもんだふ(1830‐44)「金持ちを大海(カイ)といふはイカニ、貧乏人を山水といふごとし」
おお‐うみ おほ‥【大海】
〘名〙
① 大きな海。大海原。大洋。
※書紀(720)神代上(丹鶴本訓)「溟渤(ヲホウミ)鼓(とどろ)き盪(ただよ)ひ、山岳(をほやま)鳴り呴(ほ)えき」
※随筆・北越雪譜(1836‐42)初「越後の西北は大洋(オホウミ)に対して高山なし」
② 織物、蒔絵(まきえ)などの模様の名で、大波のさまや、藻、貝など海辺の物の形状を表わしたもの。海部(かいぶ)。
※宇津保(970‐999頃)楼上上「つぎつぎのは、朽葉かうかさね〈略〉おほうみのもなり」
おおき‐うみ おほき‥【大海】
〘名〙 大きな海。おおうみ。たいかい。
※書紀(720)神代上(水戸本訓)「始め素戔嗚尊、天に昇ります時に溟渤(オホキウミ)鼓(とどろ)き盪(ただよ)ひ山岳(やまをか)為に鳴り呴(ほ)えき」
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