シーマン反応(読み)シーマンハンノウ

化学辞典 第2版 「シーマン反応」の解説

シーマン反応
シーマンハンノウ
Shiemann reaction

芳香族アミンを出発原料とする,すぐれた芳香環フッ素化反応.芳香族アミンに亜硝酸と酸を作用させてジアゾニウム塩としたのち,テトラフルオロホウ酸水溶液を加えると,ジアゾニウム塩としては比較的安定なテトラフルオロホウ酸ジアゾニウムが得られる.これを加熱すると,芳香環がフッ素化された芳香族フッ素化合物が生成する.ジアゾニウム塩のフッ素化は,同様のガッターマン反応やザントマイヤー反応条件では起こらないので利用価値の高い合成法である.多くのベンゼン化合物やピリジン,キノリンなどの複素環化合物のフッ素原子導入に用いられている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のシーマン反応の言及

【ジアゾ化】より

…ジアゾニウム塩に銅塩を作用させて種々の芳香族化合物を合成する反応はザントマイヤー反応として工業的にも重要である。また,シーマン反応Schiemann reactionと呼ばれる反応では,式(2)に示すようにジアゾニウム塩のテトラフルオロホウ酸塩を加熱してフルオロベンゼンが好収率で得られる。芳香族ジアゾニウム塩の反応として工業的にも重要なのはジアゾカップリングで,染料合成反応として古くから使用されている反応である。…

※「シーマン反応」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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