ジュクタイ洞窟(読み)ジュクタイどうくつ

改訂新版 世界大百科事典 「ジュクタイ洞窟」の意味・わかりやすい解説

ジュクタイ洞窟 (ジュクタイどうくつ)

ロシア連邦東シベリアのアルダン川支流のジュクタイDyuktai川右岸にある洞窟遺跡。Yu.A.モチャノフにより1967年に試掘され,68-70年に調査された。上層からは初期鉄器時代,新石器時代,上部旧石器時代晩期(スムナギン文化)の遺物が出ている。下層からは上部旧石器時代後期の遺物がマンモス動物群の獣骨とともに出ており,プリズム形・円盤形・楔(くさび)形石核,両面加工の石槍,ナイフ,多面体彫器,削器,端削器,スキー状スポール,石刃,マンモス牙製の槍などがある。サルタン氷期に対比され,1万6000~1万2000年前と考えられている。モチャノフは東北アジアの上部旧石器時代にこの遺跡を代表とするジュクタイ文化を設定している。おおよそレナ川以東,アムール川以北に分布するが,周辺地域の文化とも密接な関係があり,日本の先土器時代の細石器文化との関連も考えられているが,細部には未解明の点が多い。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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