明治九年(一八七六)の「駒ヶ根村誌」に「旧上松駅の内、木曾川を懸隔して両郷あり
西小川は天保九年(一八三八)の「木曾巡行記」に「枝郷三ケ所に分れ何れも川向なり、島組・北野組・大畑組といふ、島組・北野組は木曾川岸にあり、大畑組は小川谷の内なり、大畑の内高倉・才児・山室・焼笹・巾の沢なといへる所、洞々五十五ケ所に民屋分かれ、四五軒または六七軒などづつあり」とあって、
「山槐記」治承四年(一一八〇)三月二五日条に「未剋東方有火、四条坊門小河
賀茂の
大永年間(一五二一―二八)作といわれる町田家本洛中洛外図屏風には「こ川」と記され、「雍州府志」にも「
応仁以前の景観を描くとされる中昔京師地図と中古京師内外地図によると、西倉口(清蔵口、現北区上清蔵口町・上京区下清蔵口町)辺り以南から一条辺りまでの小川の東西両岸は、室町時代の政治の中心であるとともに権門の庇護を受けた寺院群が集中する。
遠野市境の
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
熊本県中部、下益城(しもましき)郡にあった旧町名(小川町(まち))、現在は宇城市(うきし)の東南部を占める地域。旧小川町は1889年(明治22)町制施行。1958年(昭和33)海東村、益南(えきなん)村と合併。2005年(平成17)三角(みすみ)町、不知火(しらぬひ)町、松橋(まつばせ)町、豊野(とよの)町と合併、市制施行して宇城市となった。「小川」の名は砂川(住吉川)の古名小川にちなむ。断層線崖(がい)で東西に二分され、東半は古生代の堆積(たいせき)岩(三波川(さんばがわ)変成岩、秩父(ちちぶ)系)、中生代の花崗(かこう)岩類からなる低山地・丘陵、西半は沖積層の低地と17世紀の干拓地で占められている。JR鹿児島本線、国道3号が通じる。
中心集落は1420年(応永27)創設の古き官道(八代(やつしろ)往来)の駅所で、それ以降、八代平野東部の在郷町の一つとして、また九州山地中の自然村への物資供給地として栄えてきた。低山地・丘陵の養蚕、製糸からミカン、ショウガ、低地の稲作、その裏作としてのイグサ栽培から施設園芸としてのカボチャ、キュウリ、トマト、イチゴなどへの転換は1960年代前半から始まったもの。三宝寺(さんぽうじ)は鉄眼(てつげん)禅師出生の寺で、遺品や一切経版木などが保存されている。
[山口守人]
埼玉県中央部、比企郡(ひきぐん)にある町。1889年(明治22)町制施行。1955年(昭和30)八和田(やわた)、竹沢(たけざわ)、大河(おおかわ)の3村と合併。JR八高(はちこう)線と東武鉄道東上線が小川町駅で接続し、国道254号が町の中央を通る。隣接する嵐山(らんざん)町に関越(かんえつ)自動車道の嵐山小川インターチェンジがある。秩父(ちちぶ)山地東麓(ろく)の小川盆地にあり、槻川(つきがわ)が流れる。江戸初期からの市場町で、当時から和紙、絹織物、酒造、そうめんなどの地場産業が発達していた。最近の和紙は手漉(てす)き業者のほか、機械漉きや、加工紙業者によって生産されている。1994年(平成6)小川和紙(細川紙)の技術が国指定重要無形文化財に指定された。細川紙は2014年(平成26)には「和紙―日本の手漉和紙技術」として、岐阜県美濃(みの)市の「本美濃紙」、島根県浜田市の「石州半紙(せきしゅうばんし)」(石見半紙)とともにユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録された。このほか、建具もこの町の特産品で、障子、フラッシュドア(玄関用ドア)などの規格品もつくっている。北部の金勝(きんしょう)山には県立小川げんきプラザがあり、南部の下里(しもざと)には国指定重要文化財の「石造法華経(ほけきょう)供養塔」、板碑のある大聖寺(だいしょうじ)がある。面積60.36平方キロメートル、人口2万8524(2020)。
[中山正民]
『『小川町史』(1961・小川町)』▽『『小川町の歴史』全10巻(1997~2003・小川町)』
栃木県北東部、那須郡(なすぐん)にあった旧町名(小川町(まち))。現在は那須郡那珂川町(なかがわまち)の西部を占める地域。旧小川町は1938年(昭和13)町制施行。2005年(平成17)馬頭町(ばとうまち)と合併して那珂川町となる。国道293号、294号が交差している。旧町域の北東縁にて箒(ほうき)川が那珂川に合流し、両河川はアユ釣りでにぎわう。この那珂川の沖積地と、その西側の喜連川(きつれがわ)丘陵を刻む谷間での水田農業が産業の中心で、畜産も盛ん。中心集落の小川地区は、奈良時代より那須地方の中心で、那須官衙跡(なすかんがあと)(国指定史跡)があり、近世には河港として栄えた。近代には交通の便が悪く停滞していたが、1980年代以降、工場やゴルフ場の進出がみられる。
[櫻井明久]
『『小川町誌』(1983・小川町)』
茨城県中部、東茨城郡にあった旧町名(小川町(まち))。現在は小美玉市(おみたまし)の東部を占める地域。旧小川町は、1889年(明治22)町制施行。1954年(昭和29)橘(たちばな)、白河(しらかわ)の2村と合併。2006年(平成18)美野里町(みのりまち)、玉里村(たまりむら)と合併して市制施行、小美玉市となった。霞ヶ浦(かすみがうら)に注ぐ園部(そのべ)川と北浦に入る巴(ともえ)川の沿岸低地と、その間の東茨城台地を占める。中心の小川は、江戸時代に霞ヶ浦の港として栄え、水戸藩の運漕奉行(うんそうぶぎょう)所が置かれ、御用河岸(がし)ともなった。また藩の郷校稽医館(けいいかん)(後の小川郷校)も置かれていた。国道355号が通じる。石岡から鹿島(かしま)鉄道が通じていたが、2007年に廃止された。農業が主で米作のほか、畑作が多く、とくに養鶏、葉タバコ、ホウキモロコシ、トロロアオイ(製紙用のり原料)など工業原料作物が特色。トマト、ニラなどの野菜栽培もある。東部に航空自衛隊の百里基地がある。
[櫻井明俊]
『井坂教著『小川町のあゆみ』(1968・小川町)』
長野県北部、上水内郡(かみみのちぐん)にある村。犀(さい)川の支流土尻川(どじりがわ)流域にある山村。標高400~900メートルの山腹斜面地に集落が散在し、少ない平地に役場や学校がある。地すべり常襲地である。斜面に分布する水田や果樹栽培、畜産が農業の中心。中世は松本方面から戸隠(とがくし)神社への参詣(さんけい)の道が通過していた。面積58.11平方キロメートル、人口2215(2020)。
[小林寛義]
江戸後期から、武蔵(むさし)国小川(埼玉県小川町)を中心としてその周辺の土地で抄造され、江戸で盛んに消費された紙の名。小川半紙の名で知られる。
[町田誠之]
長野県北部,上水内(かみみのち)郡の村。人口3041(2010)。筑摩山地に位置し,大部分が犀(さい)川の支流土尻川上流域を占める農山村。一部は北の裾花川流域にまたがる。土尻川沿いの狭い平地と山間の傾斜地に100余の集落が散在する。中心集落の高府は県道長野・大町線沿いの街村で,長野市の旧戸隠村に通ずる小川・戸隠線が分岐しており,古くから山中の交通上の要地であった。山腹の急斜面を利用した農業が主産業で,養蚕,畜産のほか,リンゴ,タバコなどが栽培される。人口は昭和30年代後半から急激に減少しており,紡績・縫製工場の誘致など過疎対策がはかられている。近年学生村が開設された。1997年に開通したオリンピック道路(長野~白馬ルート)は村域の南部を横断する。
執筆者:柳町 晴美
埼玉県中央部,比企郡の町。人口3万2913(2010)。町域は秩父山地東縁にあたる小川盆地を中心とし,荒川の支流槻川が東流する。中心集落の小川は槻川の谷口集落として発達し,江戸時代から和紙と生糸の産地として知られた。現在は和紙生産の大部分が機械すきとなり,加工紙も生産されている。細川紙と呼ばれたコウゾのみを原料とする手すき和紙も伝承されており,1978年に重要無形文化財に指定された。県立製紙試験場(現,小川町和紙体験学習センター)もある。都幾川,槻川流域の森林をひかえ建具業も盛んであるが,近年,機械金属関係工場がふえている。東武東上線,JR八高線,国道254号線が通る交通の要地で,堂平山,笠山など外秩父観光の基点となっている。
執筆者:千葉 立也
富山県北東部,下新川(しもにいかわ)郡朝日町にある温泉。JR北陸本線泊駅の東約2kmの丘陵地にある。かつては泊駅から10kmほど小川沿いにさかのぼった所にある小川元湯が小川温泉と呼ばれていた。〈子宝の湯〉として知られたこの山間の湯治場が明治末に洪水で破壊されたため,引湯して開いたのが現在の小川温泉である。小川元湯は第2次世界大戦後再建され,ろうそくをともして入る洞窟内の露天ぶろなどの風情に人気がある。泉質は食塩泉で,泉温は小川元湯では60~68℃,小川温泉では40℃。
執筆者:谷沢 明
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…宮崎城は戦国期には越後の上杉氏と越中武士団の攻防の焦点となった。中心集落の泊は小川下流の低地にあり,江戸時代は北陸街道の宿場町であった。東端の境には,江戸時代に加賀藩の境関所が設けられていた。…
※「小川」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
1953.6.20 - 米国の歌手。ブルックリン生まれ。1978年ブルー・エンジェルというバンドでデビュー、解散後、’83年「N Y.ダンステリア」でソロ・デビューする。「ハイ・スクールはダンステリア...
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
7/22 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
6/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
5/20 小学館の図鑑NEO[新版]昆虫を追加