スイミングプール型原子炉(読み)スイミングプールがたげんしろ(その他表記)swimming pool type reactor

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

スイミングプール型原子炉
スイミングプールがたげんしろ
swimming pool type reactor

水泳プールのような大型水槽の中に濃縮ウラン燃料の格子を沈めた原子炉 (水は減速冷却防護の3役を務める) 。熱の利用を行なわない研究炉として使われる。動力炉の遮蔽研究のためアメリカで開発された。構造が簡単で工費が安く,安全性が高いという利点があるので,実験孔などを取り付け研究炉として使用されている。水面上に防護壁がないので,チェレンコフ効果 (→チェレンコフ放射 ) と呼ばれる青白い光の発光現象が眺められる。日本にも原子力研究所の JRR-4のほか,このタイプの炉がいくつかある。

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世界大百科事典(旧版)内のスイミングプール型原子炉の言及

【原子炉】より

…軽水減速軽水冷却炉はしばしば軽水炉と呼ばれるが,これには冷却水に圧力をかけ沸騰するのをおさえつつ高温水を得る加圧水冷却型と,炉心で沸騰を許して原子炉容器から蒸気を取り出す沸騰水冷却型とがある。 次に炉心構造の面では,原子炉容器に炉心のみを入れている分離型のほかに,炉心が自由表面を有する水のプールに入っていて,この水が冷却材と生体遮蔽を兼ねているスイミングプール型,原子炉容器の中に一次冷却材系統と熱交換器の入っている一体型,あるいは燃料集合体一本一本が冷却材とともに管に入っていて,この管が減速材の入った容器を貫通している圧力管型などがある。 原子炉は使用目的でも分類が可能である。…

※「スイミングプール型原子炉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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