スイミングプール型原子炉(読み)スイミングプールがたげんしろ(英語表記)swimming pool type reactor

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

スイミングプール型原子炉
スイミングプールがたげんしろ
swimming pool type reactor

水泳プールのような大型水槽の中に濃縮ウラン燃料の格子を沈めた原子炉 (水は減速冷却防護の3役を務める) 。熱の利用を行なわない研究炉として使われる。動力炉の遮蔽研究のためアメリカで開発された。構造が簡単で工費が安く,安全性が高いという利点があるので,実験孔などを取り付け研究炉として使用されている。水面上に防護壁がないので,チェレンコフ効果 (→チェレンコフ放射 ) と呼ばれる青白い光の発光現象が眺められる。日本にも原子力研究所の JRR-4のほか,このタイプの炉がいくつかある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

放射冷却

地表面や大気層が熱を放射して冷却する現象。赤外放射による冷却。大気や地球の絶対温度は約 200~300Kの範囲内にあり,波長 3~100μm,最大強度の波長 10μmの放射線を出して冷却する。赤外放射...

放射冷却の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android