日本大百科全書(ニッポニカ) 「スキバホウジャク」の意味・わかりやすい解説
スキバホウジャク
すきばほうじゃく / 透翅蜂雀
[学] Hemaris radians
昆虫綱鱗翅(りんし)目スズメガ科に属する昆虫。はねの開張40ミリメートル内外。前翅・後翅とも透明で、外縁部は前翅では幅広く、後翅では狭くて黒褐色。後翅の後縁部は橙黄(とうこう)色。体は太く、黒地に橙黄色毛が生えている。触角は棍棒(こんぼう)状を呈し、先端部が太い。日本全土、朝鮮半島、中国大陸などに分布する。外見上ハチに似ているばかりでなく、昼間活発に飛ぶので、ハチに擬態していると考えられている。幼虫はスイカズラ、アカネ、オミナエシなどの葉を食べる。本種によく似た近縁種のクロスキバホウジャクH. fuciformisでは、後翅の橙黄色部が黒みを帯びているので、両種は容易に区別できる。
[井上 寛]