触角(読み)ショッカク(英語表記)antenna

翻訳|antenna

デジタル大辞泉 「触角」の意味・読み・例文・類語

しょっ‐かく〔シヨク‐〕【触角】

昆虫などの節足動物の頭部にある触覚および嗅覚きゅうかくにあずかる器官。形状は糸状・こん棒状・くし状など種類によって異なる。

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精選版 日本国語大辞典 「触角」の意味・読み・例文・類語

しょっ‐かくショク‥【触角】

  1. 〘 名詞 〙 多くの節足動物の頭部にある感覚器。糸状・こん棒状・くし状など形状は種類によって異なる。触覚や嗅覚の役目をはたし、食物を探し外敵を防ぐ働きをする。甲殻(こうかく)類では二対、昆虫類多足類では一対ある。広義には、カタツムリ類、渦虫類などの頭部にある突起をもいう。〔生物学語彙(1884)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「触角」の意味・わかりやすい解説

触角 (しょっかく)
antenna

節足動物に発達した主として機械的・化学的刺激を感じる器官で,頭部体節の付属肢が変形したものである。有爪(ゆうそう)動物や三葉虫類では第1体節に1対あるが,甲殻類では第1体節は胚期にしか認められず,第2体節と第3体節に各1対,多足類・昆虫類では第3体節も胚期にしかみられなくなって,第2体節に1対ある。鋏角(きようかく)類にはない。甲殻類の第1触角は一般に短小で先の鞭状部が2本あるが,橈脚(じようきやく)類では強大な1本の鞭状となっていて,交尾のときに雌をつかまえるように変形していることもある。十脚類などでは鞭状部に感覚毛が発達して化学刺激を感じ,柄部に平衡胞が形成されて平衡器官の役割も果たす。第2触角は他の付属肢と同じように二叉型を原型とするもので,その1枝は多くのもので長大な鞭状,他は板状などに変形していることがある。幼生期および鰓脚(さいきやく)類では成体でも遊泳器官として用いられる。多足類・昆虫類の触角は基本的には1本の鞭状で,糸状,串玉状,櫛状,のこぎり状,棒状など多様に変形し,発達した鋭敏な化学感覚毛をもっている。なおカタツムリなど節足動物以外の無脊椎動物でも,体の前端部から出る突起を触角と呼ぶことがある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「触角」の意味・わかりやすい解説

触角
しょっかく

多くの節足動物の頭部第1付属肢をいい、触覚および嗅覚(きゅうかく)器官である。唇脚類(ムカデ、ゲジ)、倍脚類(ヤスデ)、少脚類(ヤスデモドキ)、結合類(コムカデ)および昆虫類は1対の触角をもち、有角類とよばれる。これに対し、剣尾類(カブトガニ)、クモ形類(クモ、サソリ、ダニ)には触角がないので無角類とよばれる。一方、甲殻類(カニ、エビ)には小触角(第1触角)および大触角(第2触角)の2対の触角がある。昆虫類の触角は、基本的には柄節(へいせつ)(第1節)、梗節(こうせつ)(第2節)および鞭節(べんせつ)(第3節以降)からなるが、種によってさまざまの形に変化している。すなわち、鞭(むち)状(バッタトンボ)、糸状(カメムシ)、数珠(じゅず)状(シロアリ)、鋸歯(きょし)状(ハラアカヒトリ)、球桿(きゅうかん)状(チョウ)、櫛(くし)状(ヤママユガ)などがある。また、雌雄で形の異なるものも少なくない。触角には多数の感覚毛、感覚孔などがあり、また、昆虫には梗節に機械受容器のジョンストン器官をもつものがある。さらに、甲殻類では大触角基部に排出器官の触角腺(せん)をもつものがあり、また、粘管類昆虫(トビムシ)には触角基部に湿度の受容器と思われる触角後器官がある。

 なお、節足動物以外の無脊椎(むせきつい)動物では、軟体動物の腹足類や扁形(へんけい)動物の渦虫類などの体の前端に突出した1対の突起を触角という。腹足類には触角が2対あるものもあり、第2対の先端(カタツムリ)や基部(モノアラガイ)に目がある。

[町田武生]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「触角」の意味・わかりやすい解説

触角
しょっかく
antenna

クモ類カブトガニ類を除く節足動物にみられる頭部付属肢。主として触覚,臭覚を司る感覚器官。甲殻類では第1触角および第2触角の2対があり,昆虫類ムカデ類ヤスデ類ヤスデモドキ類コムカデ類では1対の触角をもつ。

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百科事典マイペディア 「触角」の意味・わかりやすい解説

触角【しょっかく】

昆虫,ムカデ,ヤスデなどの頭部第1体節の付属肢が変化した感覚器官。触覚および嗅覚(きゅうかく)にあずかるが,特に昆虫では接触化学覚という独特の感覚に関係する。甲殻類ではこのほかに頭部第3体節の付属肢から変化した第2触角がある。節足動物でも蛛形(ちゅけい)類やカブトガニ類にはない。

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デジタル大辞泉プラス 「触角」の解説

触角

1970年公開の日本映画。監督・脚本:新藤兼人、撮影:黒田清巳。出演:乙羽信子、大丸二郎、太地喜和子、草野大悟、観世栄夫、殿山泰司、蓼くにえほか。

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普及版 字通 「触角」の読み・字形・画数・意味

【触角】しよくかく

角状に出ている触覚の器官。

字通「触」の項目を見る

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