日本大百科全書(ニッポニカ) 「すき入れ」の意味・わかりやすい解説
すき入れ
すきいれ
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紙を抄造する際に湿紙の状態で実質に部分的に厚薄を与え模様または文字(すかし)を出現させること。紙の実質が部分的に薄い所は凹(白すき入れ)となり白く透けてみえ、厚い所は凸(黒すき入れ)となり黒く透けてみえる。機械抄(す)きの際のすき入れは、長網(ながあみ)または円網(まるあみ)のすき網、もしくはダンディロールのワイヤに凹凸をつけたり、またはその一部を覆うなどして抄造するか、プレス部などで凹凸の模様のあるロールで湿紙をプレスすることによる。すき入れは証券の偽造防止の手段の一つとして用いられる。とくに黒すき入れは精巧な模様が得られるため、紙幣や政府証券などの偽造防止に用いられ、一般での使用は「すき入紙製造取締法」により禁じられている。
[御田昭雄 2016年4月18日]