スコロダイト(その他表記)scorodite

改訂新版 世界大百科事典 「スコロダイト」の意味・わかりやすい解説

スコロダイト
scorodite

ソウ臭石ともいう。暗緑色を呈する含水ヒ酸鉄鉱物の一種。化学成分はFe3⁺AsO4・2H2O。Fe3⁺はAl3⁺と相互に置換し固溶体をつくる。この固溶体のAl端成分をマンスフィールダイトmansfielditeと呼ぶ。スコロダイトは斜方晶系に属し八面体に近い結晶となるが,粒状,針状結晶の集合した皮膜状となる場合も多い。比重3.3,モース硬度3.5~4。暗緑~灰緑色,黄褐色,灰緑色。やや高い屈折率のため結晶は亜ダイヤモンド光沢を示す場合がある。金属鉱床の酸化帯などに硫ヒ鉄鉱など含ヒ素鉱物の二次鉱物として産出することが多いが,大分県木浦鉱山の酸化帯から産出した結晶は大型で美しく,国外でも著名である。また北海道南西部喜茂別鉱山の褐鉄鉱鉱床中には微結晶の集合体が脈状に存在し,ときには幅数十cmにおよぶこともあり,鉄鉱石に混入する有害成分として問題とされた。またその中にはFeの一部をAlにより置換した種(アルミノスコロダイト)も産出して注目された。ソウ臭石の名は加熱時に発生するヒ素による臭気(葱臭(そうしゆう))による。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のスコロダイトの言及

【鉱物】より

…例えば一次鉱物である硫化鉱物類の集合体が天水または地表近くでの熱水などのように酸素を溶存する水により酸化分解を受け,硫化鉄鉱物が針鉄鉱などの含水酸化鉄鉱物に変化する場合,さらに反応を行った水中に溶出した成分がふたたび晶出する場合がある。この例としては含銅硫化物の分解により生じた水溶液より晶出するタンバンや,硫化鉱物中に含ヒ素硫化鉱物を含有する場合に生じるスコロダイト,オリーブ銅鉱などがあげられる。また酸性火成岩類の風化作用により生じた粘土鉱物のハロイサイト,カオリナイト,さらにそれらの風化作用により生じたギブサイトなども二次鉱物の一種である。…

※「スコロダイト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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