日本大百科全書(ニッポニカ) 「スレッサー」の意味・わかりやすい解説
スレッサー
すれっさー
Kenneth Slessor
(1901―1971)
オーストラリアの詩人。ニュー・サウス・ウェールズ州オレンジ市生まれ。終生シドニーとメルボルンの有名日刊紙や週刊誌の編集者・寄稿家として活躍。晩年は連邦政府文学奨励基金委員、記者クラブ会長などを務めた。詩人としては1922年ジャック・リンゼイとともに『ビジョン』誌を創刊、T・S・エリオット、エズラ・パウンドら欧米の新傾向を導入した重要詩人と目されたが、その活動は40年代で終わった。おもな著書に処女詩集『月泥棒』(1924)、『地球の訪客たち』(1926)、『ダーリングハーストの夜と輝ける朝』(1932)、『五つの鐘』(1939)がある。また『詩100選』(1944)は、1957年に『詩集』として2編の詩が追加出版された。1970年には文芸エッセイ集『パンとワイン』を出版した。
[平松幹夫・古宇田敦子]