日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
セラミックス・コーティング
せらみっくすこーてぃんぐ
ceramic coating
金属部材の表面を無機質材料(セラミックス)で被覆(コーティング)すること。これを大別すると、(1)鋼または耐熱合金の表面に耐熱性あるいは耐酸性のガラス質のほうろうを焼き付ける、(2)酸素‐アセチレン炎、プラズマジェットなどの高熱噴流で耐火物粉末を溶融させながら耐熱部材表面に結晶質の耐火物皮膜をつくる、(3)加熱した部材を耐火物成分を含む反応性ガス中において、熱分解あるいは気相反応によって表面にセラミックスの皮膜を形成させる(化学蒸着法)、(4)真空蒸着やスパッタリングspattering(イオンをセラミックスに照射して飛散したセラミックスを付着させる)により皮膜をつくる(物理蒸着法)、などがある。ジェットエンジン、ガスタービン、ロケットなどの高熱部分の耐熱、断熱のためにアルミナAl2O3や酸化クロムCr2O3、ジルコニアZrO2などの被覆の研究が進められている。
[須藤 一]