耐熱合金(読み)たいねつごうきん(英語表記)heat-resistant(refractory) alloy

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

耐熱合金
たいねつごうきん
heat-resistant(refractory) alloy

高温で強度耐食性,耐クリープ性,また用途によっては耐圧性,耐疲労性 (→金属の疲労 ) ,耐摩耗性を保つ金属材料。 750℃前後までは特殊ステンレス鋼が用いられる (→耐熱鋼 ) 。しかしジェット機,ロケット,原子炉などの発達に伴い,要求される条件がきびしくなると同時に重要性も増したので,1000℃常用を目途としたいわゆる超合金の開発が進められている。クロムモリブデンタンタルニオブタングステンなどの高融点金属は,単体では 1000~1500℃以上まで用いることができるが,高温酸化を免れないのでセラミック被覆し,あるいは真空または不活性気圏としなければならない。将来はこれらの金属をセラミックで強化した複合耐熱材料サーメットの開発が進むであろう。黒鉛 (石墨) は最も耐熱性がよいが,衝撃に弱いのが難点である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディアの解説

耐熱合金【たいねつごうきん】

高温での耐食性または強さにすぐれている合金の総称で,耐熱鋼が代表的。それ以上の耐熱性が必要な場合はニッケル基(たとえばインコネル)やコバルト基の合金が使用される。また航空機材料の耐熱軽合金としてはチタン合金がある。
→関連項目空力加熱耐熱材料

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

たいねつごうきん【耐熱合金 heat resistant alloy】

大気中における耐酸化性と高温におけるある程度の強度をもつように設計・製造された合金。耐熱性の原理と鉄基合金については〈耐熱鋼〉の項目を参照されたい。耐熱鋼の場合の高温とは500~800℃であるが,金属材料一般で高温というと,それぞれの金属の溶融温度との相対的尺度で考える。軽金属であるアルミニウムマグネシウムを基本とする軽合金耐熱材料は250~450℃程度の温度で使用される。軽合金耐熱材料はジェットエンジンなどの圧縮機内燃機関のピストン材,原子炉材用被覆材などに用いられる。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

たいねつごうきん【耐熱合金】

耐熱性が高く、酸化・硫化などの化学作用によく耐える合金の総称。ニッケル-クロム鋼や、それにモリブデン・タングステン・バナジウムなどの高融点金属を添加したものなど、種類が多い。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

耐熱合金
たいねつごうきん
heat resisting alloys

高温で使用するための合金。金属は高温になると強度が低下し、また酸化など雰囲気との化学反応が速やかに進行するようになる。これに対処するために種々の合金元素が添加される。アルミニウム合金の場合はニッケルを2.5%以下添加した合金(Y合金、ローエックスなど)、銅合金ではクロムを0.85%またはジルコニウムを0.15%添加したものなどがあるが、耐熱合金の代表は、鉄にクロムを加えて耐酸化性を増し、タングステン、モリブデン、バナジウム、チタンなどを加えて高温強度を高めた耐熱鋼である。さらに高温で使用するものにニッケルやコバルトを基本とする超耐熱合金(超合金)があり、1000℃以上で使用するものとしてはモリブデンやタングステンのような高融点金属の合金がある。高温強度を高めるために金属中に酸化物を微細に分散させた酸化物分散強化型合金、セラミックス粉末を少量の金属で固めたサーメット、共晶組成の合金を一端から順次固化させて組織を一方向にそろえた一方向凝固合金、セラミックス繊維を金属で固めた繊維強化型複合材料など、各種の耐熱合金の研究が行われている。[須藤 一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

新華社

中華人民共和国の国営通信社。新華通訊社が正式名称。 1931年延安で創立され,48年北京に移り,現在は政府国務院新聞総署の管轄下にある。特に文化大革命以後は重要度が高まり,党と政府の発表はここを通じて...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android