日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ゼムリャ・フランツァ・イオシファ
ぜむりゃふらんつぁいおしふぁ
Земля Франца‐Иосифа/Zemlya Frantsa-Iosifa
ロシア連邦北西部、北極海にある群島。アルハンゲリスク州に所属する。英語名フランツ・ヨーゼフ・ランドFranz Josef Land。東半球では最北部にある陸地で、191の島からなる。おもな島はアレクサンドラAleksandra島、ジョージGeorge島、ビリチェカVil'cheka島、グラハム・ベルGraham Bell島。総面積約1万6000平方キロメートル、最高点の標高620メートル。典型的な極地気候で、年平均気温は零下12℃(ルドルフ島)、最低気温は零下52℃を記録した。地表の90%が氷河で覆われる。植生は乏しく、わずかにコケ類が生育する。1873年オーストリア・ハンガリー帝国の探検隊が発見、時の皇帝名を群島の名称とした。1926年にソ連が領有を宣言。1991年ソ連解体後はロシア連邦領。ヘイサ島にロシア科学アカデミーの地球物理学観測所がある。
[小宮山武治]