ソブリン金貨(読み)ソブリンきんか(英語表記)sovereign

翻訳|sovereign

改訂新版 世界大百科事典 「ソブリン金貨」の意味・わかりやすい解説

ソブリン金貨 (ソブリンきんか)
sovereign

イギリスの1ポンド金貨名称ソベリン金貨ともいう。イギリスが金本位制度を採用した1816年貨幣法で制定され,1917年まで国内流通用の貨幣として製造・発行された。74年からは,地金型金貨(地金価値と大差ない価格で取引される投資向きの金貨)として発行されている。現在も1ポンドの法貨であるが,額面金額の表示はない。直径22mm,重量7.988g,品位916/1000。1ポンド金貨をソブリン君主)と呼ぶのは,1489年に発行された20シリング(=1ポンド)金貨に,当時の国王ヘンリー7世の肖像が大きく描かれたことに由来する。この古い型のソブリン金貨は,1604年まで発行されたが,時代により銀貨20~30シリング相当と,価値の変動があった。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のソブリン金貨の言及

【金】より

…銀貨は金貨と併用されていたが,やがて18世紀末にイギリスは銀貨の自由鋳造を禁止し,事実上の金貨中心の体制に移ることになった。19世紀初めイギリスはソブリン金貨を発行し,それを本位貨幣とした。ドイツをはじめ他の諸国もイギリスにならい,本位貨幣として金貨を鋳造し,発行した。…

【金本位制度】より


[歴史]
 最も早い時期に金本位制を法的に確立したのはイギリスである。1816年にイギリスはソブリンsovereignと名づけられた1ポンド金貨,ソブリン金貨を鋳造し,これを法定通貨として,この平価にもとづいてイングランド銀行券はこの金貨と交換されることとなった(貨幣法Coinage Act)。イングランド銀行法により銀行券と金との関係がはっきりと規定されたのが44年なので,この年をもって金本位制確立とみる見解もある。…

※「ソブリン金貨」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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