日本大百科全書(ニッポニカ) 「タムボフ」の意味・わかりやすい解説
タムボフ
たむぼふ
Тамбов/Tambov
ロシア連邦西部、タムボフ州の州都。人口31万5100(1999)。スツデンツァ川がツナ川に合流する地点に、1636年要塞(ようさい)が築かれたのが市の始まりである。その軍事的意義は17世紀末にはなくなり、モスクワとロシア南東部とを仲介する商業中心地となった。革命(1917)前、工業部門は農産物加工が中心であったが、ロシア革命後種々の工業部門が発展した。現在、機械(化学工業用設備、農業機械、自動車部品)、化学(染料、ゴム・プラスチック製品)、食品工業が主要工業である。教育・文化施設が多く、主要なものは機械、化学、教育の各大学、郷土博物館、ドラマ劇場、人形劇場である。鉄道の分岐点で、市を経由してモスクワ―サラトフを結ぶ自動車幹線が走っている。
[中村泰三]